アイコスユーザーの皆さん、アイコスに含まれるニコチンの量、気になりませんか?
アイコスを含む加熱式タバコのパッケージには、ニコチンの含有量が表記されていないので、確認のしようがありません。
アイコスの販売メーカー、フィリップモリスも、ニコチン含有量を公開していません。
今回は、アイコスに含まれるニコチンの量について、メーカーに問い合わせた回答や、研究結果、論文の情報などを元に、具体的な数値まで紹介していきたいと思います。
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この記事の目次一覧
アイコスのニコチン量本当は何ミリ?
ネット上で検索してみたのですが、やはりメーカーから公式な情報は公開されていません。
しかし、電子タバコ関連のサイトを調べていくと、ほとんどのサイトで 0.5m〜1mg と掲載されています。
根拠となる明確な裏付けが掲載されていないものも多く、中には吸ってみた感覚で判断している場合もあるようです。
メーカーサポートに問い合わせ
アイコスの会員になっている方はご存知の通り、アイコス公式サイトには、カスタマーサポートセンターの問い合わせ窓口が掲載されています。
早速カスタマーサポートに、今回の疑問を問い合わせてみます。
ここは、ストレートに尋ねてみました。
すぐに、サポートからの回答メッセージが表示されます。
A. タールやニコチンの値の表記について知りたいとのことですね。
現在たばこスティックはパイプたばこに分類されており、タール、ニコチン値の測定方法が確立されておらず、法令上の表示義務もないため、従来のたばこのように数値をご案内することができません。
ん?、、パイプたばこに分類??
なるほど。これまでの紙巻タバコとは種類が異なるタバコなので、ニコチンの測定方法が確立されていない。
そして、紙タバコのようにニコチンの量を表示する義務がないということなんですね。
ちなみに、紙タバコの場合はどのようにニコチンの量を測定しているのでしょうか?
ちょっと調べてみたのですが、なかなか興味深いものでした。
タール・ニコチン含有量の測定方法
「自動喫煙器」を使用し、決められた条件の下で主流煙の粒子部分を集めます。
ニコチンは、集めた粒子を溶かして測定。
タールは、その粒子の重さからニコチンと水分の重さを差し引いて測定します。
(この測定法は法令により定められています)引用: JT公式サイト
簡単に言えば、自動喫煙器で一定量の煙を吸引、煙を水に溶かす。その後、水に溶け出した粒子を測定する、ということですね。
ちなみに、この方法は国際的な標準規格(ISO)によって、測定手法が定められているそうです。
国際標準化機構(ISO)の測定方法
ISOの自動喫煙器での測定方法は、自動喫煙器が1分毎に2秒間、35ミリリットル(ml)の煙を吸入し、紙巻たばこのフィルター・チップの近くまで喫煙します。
タールは、フィルターから抽出された粒子状物資合計から水分とニコチン値を取り除いた値として測定されます。
自動喫煙器、ちょっと見てみたい気もします。
しかし、素人考えですが、この測定方法で加熱式タバコも測定すれば良いような、、。
それでも、加熱式タバコの測定方法が明確化、基準化されていないから、測定しないがという理由は分かるような気がします。
こうなると、消費者や研究機関が調べた情報を参照して判断するしかなさそうです。
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アイコスは「紙巻きタバコ」と同じニコチン量だった
参考になりそうな情報が3つありました。
1つは、アイコスを販売するフィリップモリスが過去に行った研究結果についての情報。
「論文には疑問がある」という前提ですが、フィリップモリスがFDA(アメリカ食品医薬品局)に提出した論文について、Business Journal が紹介しています。
(※フィリップモリスインターナショナルの提出した論文について)
「紙巻きたばこからアイコスに替えた人たち」の血液や尿を分析したところ、15種類の化学物質の濃度が「5日間の禁煙をした人たち」と同程度になっていたという内容です。ただし、ニコチン量は「紙巻きたばこを吸い続けた人たち」と同じでした。
血液や尿の検査をしたところ、タールなどの化学物質はほとんど出てこなかった。しかし、ニコチンの量は紙巻きタバコを吸い続けた人と同じ量だった、ということです。なるほど。
血液や尿を採取して出た結果、、つまり、体内に吸収されたニコチンの量が、一般的な紙巻たばこと変わらなかったということになります。
ちなみに、タールやその他の有害物質の量は、紙巻きタバコと比較すると「約90%も削減されている」というのが、メーカーの発表です。
もうひとつの資料を参照してみます。
タバコ葉を加熱する電子タバコでは、紙巻きタバコと同様に血中のニコチン、およびその代謝産物であるコチニンは上昇するため、程度の差はあるものの紙巻きタバコと同様のニコチン依存性および健康障害が生じうる。
参照:わが国における電子タバコの現状と問題点
鈴木幸男(北里大学北里研究所病院呼吸器内科、北里大学薬学部生体制御学)
ここでも、タバコ葉を使用する「加熱式電子タバコ」を吸うと、紙巻タバコと同様に、血中のニコチンが上昇することが述べられています。
血中濃度が上がるということは、紙巻タバコと同じように、血管の収縮に伴う疾患、心筋梗塞や脳卒中などが、どうしても心配になってしまいます。
もちろん、ニコチンへの依存性と健康障害が生じることも当然起こるわけです。
ここまで、アイコスを喫煙することによって、紙巻きタバコと同程度のニコチンを摂取することになる、ということがわかりました。
しかし、まだ肝心なことが分かっていません。
それは、具体的にどれくらいの量のニコチンが含まれているのか?という疑問。
調べてみると、アイコスに含まれるニコチンを含む有害物質の量について、詳しく解説された論文が見つかりました。
アイコスに含まれるニコチン量は、1.1mg〜1.2mg?
アイコスに含まれるニコチンの含有量について、もっと詳しく知りたい方は、以下の論文が参考になると思います。
ここでは、先に少し紹介した「タバコの煙からニコチンの量を測定する方法」という標準規格と同じ方法で、アイコスの主流煙を分析した結果が掲載されています。
少し内容を参照してみます。
Nicotine in the mainstream smoke of iQOS (regular:1.1 mg/cig, menthol: 1.2 mg/cig) (Table 2) was also detected at a level comparable with 1R5F (1.0 mg/cig) and relatively lower than 3R4F (1.7 mg/cig) (Table 2).
引用:Journal of UOEH = 産業医科大学雑誌 39(3), 201-207, 2017
学校法人 産業医科大学
iQOSの主流煙に含まれるニコチンの量は、レギュラーで1.1mg/cig、メントールで1.2mg/cig。
1R5F(1.0mg/cig)に匹敵するレベルで検出された。3R4F(1.7mg/cig)よりは、相対的には低い結果だった。
※翻訳は筆者が簡単に訳したものです。参考までにご覧ください。
ここに書いてある1R5F、3R4Fとは、たばこの研究や評価で用いられる、標準的な紙巻きタバコのこと。
一般的なタバコの標本・サンプルと考えると良いと思います。
上述の通り、3R4F というサンプルは、1R5Fよりも、ニコチンの含有量が濃いサンプルです。
私のつたない語学力で読み解く限り、主流煙の評価方法は国際標準規格を参考に行なっているということが記されています。
ここで驚くのは、IQOSの主流煙に含まれるニコチンの量は、レギュラーで1.1mg。メントールで1.2mg もあるということ。
資料に書いてある通り、この量は1R5F(ニコチンやタールの低い一般的な紙巻きタバコ)の、1.0mgよりもやや多い、ということです。
これは、とても意外な結果です。
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銘柄によってニコチン量がやや異なる
また、この論文に書いてある通り、 アイコスのヒートスティックの銘柄によって、ニコチンの含有量は微妙に異なります。
論文の中では、レギュラーとメンソールの数値が掲載されています。
- レギュラー 1.1mg
- メントール 1.2mg
メントールの方が微妙に多い、というのも、少し意外な気がしますね。
ニコチンの健康被害とは?
最後に、ニコチンの健康被害について、少しだけ補足を。
タバコといえば、タールの発癌性物質や、ニコチン以外の健康被害ばかりが注目されがちな気がします。わたしもそうだったのですが。
しかし、当然ながら、ニコチンも健康被害を引き起こす有害物質に変わりありません。
よく言われるのが、血管を収縮させることによる心筋梗塞や脳卒中のリスク。
私の場合、加熱式タバコを吸引すると、ひどい頭痛を引き起こします。もともと偏頭痛持ちなので、とにかく酷い状態になります。
こうした症状も、ニコチンによる影響の可能性は捨てきれません。
血管を収縮させることで、肩こりや頭痛を引き起こす可能性が高くなるのです。
そして、ニコチンによる大きな問題はもう一つ、ありますよね?こちらの方が厄介です。
それは、依存症を引き起こすということ。
ニコチンの依存症により、タバコをやめることができなくるなる。これが大きな問題であることは言うまでもありません。
加熱式タバコだから大丈夫、と思いたい気持ちも分かりますが、アイコスに関して言えば、含まれるニコチンの量は上述の通り。
軽めの紙タバコよりも、しっかりニコチンが摂取されています。
何事も、ほどほどが大切です。