最近、咳や痰が止まらない。肺や喉が痛い…そんな症状がありませんか?
その症状、もしかしたらタバコによるものかもしれません。
タバコには、大きく分けて3つの害があります。その害の中には、あなたが気付いていないものもあるかもしれません。
そして、注意が必要な場合もあるのです。
この記事の目次一覧
タバコによる「体への害」は深刻?!
1つ目の害は「体への害」です。
喉が痛くなる、咳が出るなど、わかりやすい害と言えるかもしれませんね。
でも、実はわかりにくい害でもあるのです。
なぜなら、タバコに含まれる有害な物質はなんと4000種類以上。そのうち、発がん性物質は60種類にのぼります。
これらを吸い込み続ければ、当然、病気になりやすくなってしまうでしょう。
その中でも、多くの喫煙者がかかりやすい病気が3つあります。
それは、COPD(慢性閉塞肺疾患)・ガン・虚血性心疾患です。
COPDってなに?!
この病気のおよそ90%が、喫煙によって引き起こされるとされています。10年以上、喫煙を続けていて、次のような自覚症状があればこの病気かもしれません。
COPDの自覚症状
- 慢性の咳
- 慢性の痰
- 動作時の息切れ
- 風邪を引きやすい
これらの症状だけを見ると、慢性の気管支炎みたいなものでしょ?と軽く考えてしまうかもしれません。
でも、この病気の恐ろしさはここからなのです。
COPDは肺の病気です。ですから、進行すると肺ガンのリスクが高まります。ところがそれにとどまりません。
神経や血液を通じて全身に影響が及ぶのです。したがって、うつ病などの心の病気や脳、心臓、胃、生活習慣病など様々な症状が出てしまうのです。
COPDが進行すると
- うつ病、認知症
- 脳血管障害、閉塞性動脈硬化、貧血
- うっ血性心不全、虚血性心疾患
- 胃潰瘍、胃食道逆流症
- メタボ、糖尿病
このように、進行すると日常生活がままならなくなってしまう恐れがあるのです。
心あたりのある人は早めに検査に行くべきです。
喫煙者がなりやすいのは肺ガンだけではない?!
わかりやすいタバコの害の「象徴」はやはり肺ガンでしょう。実際、タバコが原因での死亡率が最も高いのは肺ガンです。
特にヘビースモーカーは、非喫煙者のおよそ15倍も肺ガン死亡率が高くなるというデータがあります。
さらに、タバコは喉頭ガン・咽頭ガン・口腔ガンのリスクを高めます。これらも肺ガンと同じように、煙の通り道ですから、当然といえば当然でしょう。
タバコで高まるガンリスク
- 肺ガン
- 喉頭ガン
- 咽頭ガン
- 口腔ガン
しかし、意外なことに消化器や肝臓などのタバコの煙が触れない部位のガンリスクも高まるのです。
煙に触れない箇所のガンリスクも高まる
- 胃ガン
- 食道ガン
- 膵臓ガン
- 肝臓ガン
- 膀胱ガン
- 子宮頸ガン
なぜこれらの部位のガンリスクが高まるのでしょうか?
それは、タバコに含まれる有害な物質、特に発ガン性物質を吸収しているからです。
唾液や血液に溶け込んだ発ガン性物質が、さまざまな部位でガンを招くのです。
虚血性心疾患って一体なに?!
虚血性心疾患って聞き慣れない病気ですよね。
これは、心臓のまわりにある冠動脈が動脈硬化などで狭くなる。または、閉塞してしまうことによって、心臓の筋肉に血液がいかなくなってしまう病気です。
狭心症や心筋梗塞もこの病気に分類されます。
原因として、加齢や遺伝、高血圧などもあります。しかし、喫煙も主因とされています。
タバコによる「体への害」はまだまだある?!
他にも、歯周病・老化・体臭などが考えられます。
どれも、意外に思った人もいるかもしれませんね。順に説明していきます。
タバコを吸うと歯周病になりやすい?!
歯周病の原因は、細菌感染です。喫煙によって、体の免疫力(細菌などに対抗する力)が失われると、細菌に感染しやすくなってしまいます。
また、タールやニコチンも歯に悪影響を与えます。
このため、喫煙者は非喫煙者に比べ、10年間で失う歯の本数がおよそ3倍というデータもあるのです。
歯周病は、甘く見てはいけない病気です。歯が無くなるということは、よく噛めなくなるということ。ですから、栄養摂取がうまくいかなくなる恐れもあるのです。
また、口臭の原因にもなります。タバコ臭い息が、余計臭くなるのは嫌ですよね。
タバコを吸うと老化が進む?!
あなたはスモーカーズフェイスという言葉を聞いたことがありませんか?
これは、そのままタバコを吸う人の顔という意味です。タバコを吸うと顔が老けやすいのです。それはなぜでしょう?
COPDの説明の中にある「タバコの有害な物質が神経や血液を通じて全身に影響を与える」という言葉を思い出してください。
この有害な物質の一部は、肌から排出されるのです。したがって、肌が荒れやすくなります。
また、喫煙は、老化を促進する物質を増加させるという報告が上がっています。
さらに、タバコは肌に欠かせない栄養素ビタミンCを破壊するのです。
これらの要因で、肌の老化が進みます。
さらに、血液が老化することもあります。それはつまり、全身至るところが老化しやすくなるということなのです。
喫煙者は臭いがち?!
タバコを吸うと、タバコ臭さが口や髪に残ってしまいますよね。
でも、それだけではなく、体臭を臭くしていく恐れがあるのです。
体臭を臭くする犯人はニコチンです。ニコチンは脳にある体温調節中枢を刺激します。これにより、臭いのある汗をかきやすくなります。
また、ビタミンCの破壊はここでも問題となります。ビタミンCは体臭対策にも必要なのです。
また、喫煙者は歯周病になりやすいと先述しましたね。実はこの歯周病の臭いは、口臭の中で最強と言われているのです。
タバコは周りへ害を与える?!
実は、私も”元喫煙者”です。
吸っていた当時は、気付いていませんでしたが、「匂い」は、思った以上に周りの人に不快感を与えているようです。
特に、鼻が良い非喫煙者は、喫煙者の匂いが耐えられないという人が多くいるのです。それは、体臭や口臭に限ったことではありません。
服についた匂い。カーテンについた匂い。これらは洗濯してもわかるという人もいます。
あなたが思っている以上に、タバコは臭うのです。
そして、もう1つの周りへの害は副流煙です。敏感な人は、副流煙で目や喉に痛みが出てしまいます。
長期的に副流煙を吸い込んでいると、虚血性心疾患になりやすくなります。
タバコは財政へ害を与える?!
当たり前の事ですが、タバコを買うとお金を失います。身近な財政である家計に害を与えているのです。
もちろん、あなたがタバコを買うことでタバコ税によって国の財政に貢献もしています。
でも、今一度考えてみてください。タバコが、体に害となることを先ほどご説明しましたね。
財政への害の本質は医療費です。
- 喫煙者は、非喫煙者よりも年間医療費が、およそ1万円高い
- 喫煙者が、長期に及ぶ病欠を取るリスクは非喫煙者のおよそ2倍
これらを国単位で考えると、とんでもない数字になります。2002年に医療経済研究機構の調査で、すごい数字が出ています。
医療経済研究機構推計
- 喫煙者の医療費 約1兆2900億円
- 間接喫煙者の医療費 約150億円
- 病欠などによる経済的損失 約5兆8000億円
- タバコの不始末・ポイ捨てによる火災での損失 約2200億円
合計はなんと、約7兆3300億円です!とんでもない数字ですね…
まとめ
タバコがもたらす3つの害について、ご説明しました。喫煙者にとって、ショックな内容だったかもしれません。
でも、タバコを吸い続けても病気にならない人もいます。タバコは、「体に害がない」と唱えている研究者もいます。匂いにとにかく気をつけている人もいるでしょう。
でも、もし周りに心配してくれる人がいるなら、やめる努力をするべきかもしれませんね。
「そんなことはわかってる。でもどうしても、やめられない…」という人もいるでしょう。
世の中にはたくさんの禁煙グッズや禁煙外来などの「やめる方法」があります。
でも、これらはタバコをやめようとする強い意志がなければ成功しないでしょう。
どこかにまだ「迷い」があるという人は「電子タバコ」を選ぶのも1つの手段です。
電子タバコというと、「タバコの形をしたアレかな?」と思った方はいませんか?
ところが、現在の電子タバコは、進化しています。
タバコの葉っぱをカートリッジで入れ替えるもの。液体を入れ替えるもの。カタチは様々です。ニコチン入りのものから、徐々にニコチンの入っていないものにシフトするというやり方もできます。
タバコへの依存から抜け出すには賢明な方法でしょう。
以下は私が禁煙に成功した方法のことを書いた記事です。宜しければ、参考にしてください。