「もしかして、私の口、臭いのかな?」と不安になる時ってありますよね。自分の匂いは自分では気づきません。「もしかして、相手に嫌な思いをさせているんじゃないか?」と不安な気持ちでいっぱいになってしまうと、おしゃべりも楽しめなくなってしまいます。
こうなると、実際は臭くなくても思い込んで、落ち込んでしまいます。
そうなる前にしっかり対策をしていきましょう。
口臭の種類は3つある?!
そもそも、口臭の定義ってあるのでしょうか?
厚生労働省のe-ヘルスネットには、以下のように書いてあります。
口臭の定義
口臭とは「口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭」と定義されます。すなわち生体ガスのうち、においの質と強度が問題となります。
許される範囲内であれば、口臭ではないと定義されているという事ですね。しかし、許せる範囲っていうのは人それぞれ違います。
また。口臭は強い弱いがあっても、誰にでもあるものです。ですから、ある程度は仕方が無い事でしょう。
でも、確実に強い口臭があるのであれば早めの対策が必要です。
対策の前に、まずは口臭の原因を突き止めましょう。
口臭の種類は大きく分けると以下の3つです。
- 生理的なもの
- 病気によるもの
- 食べ物などによるもの
1.生理的な口臭
これは、人間なら誰しもある匂いです。緊張した時やお腹が空いた時、口の中が乾いている時などに口臭が強まります。朝起きたばかりは、口の中が臭い感じがしませんか?
これらは、唾液の減少に伴い、細菌が増殖するので口臭が起きます。
唾液には殺菌・抗菌作用があります。これは、唾液の中に含まれる抗菌物質の働きによるものです。
唾液が減ると細菌が増殖して、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイド)が発生します。
特に、硫化水素・メチルメルカプタンの2つが口臭の大きな原因とされているのです。
2.病気による口臭
胃腸の調子が悪い時に、嫌な匂いを感じた事がありませんか?
実は口臭は、口の病気だけではなく、全身至る所の病気が原因で発生します。
主な原因を挙げておきます。
口臭の原因となる病気
- 歯周病
- 虫歯
- 歯石
- 歯垢(しこう)
- 舌苔(ぜったい)
- 消化器の病気
- 呼吸器の病気
- 鼻・喉の病気
- 糖尿病
歯周病と口臭の関係
歯周病というのは、いわゆる歯槽膿漏(しそうのうろう)の事です。
歯周病とは
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が「炎症」を帯びて赤くなったり、腫れたりします(痛みはほとんどの場合ありません)。
そして、進行すると歯周ポケットと呼ばれる歯と歯肉の境目が深くなり、歯を支える土台(歯槽骨)が溶けて歯が動くようになり、最後は抜歯をしなければいけなくなってしまいます。
出展:日本臨床歯周病学会
歯周病になると、上記のように歯と歯茎に隙間が出来てしまいます。この隙間に細菌が住み着き、どんどん繁殖してしまいます。その結果、先程の硫化水素・メチルメルカプタンなどが発生し、臭ってしまうのです。
歯周病が進行してしまう原因には以下のものが考えられます。
歯周病の進行理由
- 噛み合わせが悪い
- 歯ぎしり・噛み締め・くいしばり
- ストレス
- 喫煙
- 悪い食習慣
- 全身の病気(ホルモンの異常・糖尿病・骨粗鬆症など)
- 薬の影響
歯周病セルフチェック
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする。
- ブラッシング時に出血する。
- 口臭が気になる。
- 歯肉がむずがゆい、痛い。
- 歯肉が赤く腫れている。(健康的な歯肉はピンク色で引き締まっている)
- かたい物が噛みにくい。
- 歯が長くなったような気がする。
- 前歯が出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間がでてきた。食物が挟まる。
※上記の項目3つあてはまる
油断は禁物です。ご自分および歯医者さんで予防するように努めましょう。
※上記の項目6つあてはまる
歯周病が進行している可能性があります。
※上記の項目全てあてはまる
歯周病の症状がかなり進んでいます。
出展:日本臨床歯周病協会
舌苔と口臭の関係
舌苔とは
舌につく苔状のもののこと。 舌のコケと書いて、舌苔(ぜったい)といいます。 舌苔は舌についた汚れのようなもので、多くの場合白っぽい色や黄色っぽい色をしています。 舌の表面は細かなひだ状になっているため、そこに細菌、食べかす、口腔粘膜のかすなどが付着するのです。
出展:バイオクリニック東京
舌苔が必要以上に増えてしまうのは、ほとんどの場合、唾液の量が減っているからです。唾液の量が減る原因は以下にあります。
唾液の量が減る原因
- 抵抗力の低下
- ストレス
- 疲労
- 自律神経の不調
体の不調で唾液の量が減るとは驚きですよね。4つ目の自律神経が何か疑問に思う方がいらしゃると思いますので、補足しておきます。
自律神経とは
自分が意識するかしないかに関わらず、身体の各機能を調整してくれる神経のことです(呼吸や体温、心拍数など、ほとんどの機能が自律神経によって動いています)。
自律神経には「活動するための交感神経」と「休養するための副交感神経」の2種類が内在しています。
舌苔は舌磨きで防ぐ事が出来ますが、磨きすぎると危険です。舌は実にデリケートです。磨きすぎると、傷がつき、粘膜が剥離してしまいます。これが、細菌の栄養となりその数を増やしてしまいます。
くれぐれもゴシゴシ磨かないようにしましょう。
3.食べ物などによる口臭
ニンニクやお酒、タバコ等の一時的な匂いがこれに当てはまります。基本的には、時間が経てば無くなるので、あまり気にする必要は無いでしょう。
ただし、タバコの吸いすぎは歯周病を悪化させます。注意すべきでしょう。
あなたの口臭の原因は?
それでは、あなたの口臭の原因を探っていきましょう。
下記の7つをチェックして下さい。
口臭の原因チェック
- 口の中がパサパサしている
- 仕事などでストレスを長く感じている
- 舌の表面が白く、磨いたことがない
- 歯、詰め物や入れ歯の表面を舌でさわるとザラザラしている
- 歯茎が腫れたり、血がでたりすることがある
- グラグラ動いている歯がある
- 穴の開いた歯や詰め物が取れたままになっている歯がある
1.2.3のいずれかの項目のみに当てはまる方→“生理的口臭”の可能性があります。
1~7のどれかの条件に当てはまる方→“病的口臭”の可能性があります。出展:歯医者が教える歯のブログ
あなたの口臭の原因が病気によるものなら、まずは歯医者さんに行ってみましょう。でも、生理的な口臭なら、対策を立てる事が出来ます。
お家で出来る口臭対策
私が提案する口臭対策は以下の7つです。
- 正しい歯磨き・舌磨き
- 水分補給
- 口呼吸を治す
- リラックス出来る時間を作る
- ガムを噛む
- マッサージをする
- サプリを賢く使う
1.正しい歯磨き・舌磨きを身につける
あなたが毎日行っている歯磨きの仕方。もしかすると間違っているかもしれません。
実は歯磨きを行うのは、虫歯を防ぐためだけではないのです。
歯を磨く事はもちろん大切ですが、もっと大切な事があります。それは「歯茎と歯の境目」と「歯茎」を磨く事です。
なぜなら、口臭の原因「歯周病」を防ぐため、そして歯垢の除去もしなければいけないからです。
歯垢は、歯と歯茎の境目に付着した細菌の塊です。これをしっかりと除去しなければ、口臭が悪化してしまうでしょう。
では、具体的にどのように磨くべきかご説明していきます。
歯磨きの際は、以下の6つに気をつけましょう。
1.ゴシゴシ磨かない
ゴシゴシ磨いても歯垢は落ちません。それどころか、歯や歯肉を傷つけるだけです。
2.磨き残しを防ぐために順序良く磨く
3.小刻みに動かす
うまく磨けない場合は電動歯ブラシを使うのも手です。
4.起床後はすぐ磨く
朝は、細菌が増殖しています。起床後、30分以内に磨きましょう。
5.歯間ブラシ・舌ブラシを使う
歯ブラシでは、歯と歯の間の歯垢は落とせません。歯間ブラシを使いましょう。また、舌はデリケートですので、専用の舌ブラシで磨いて下さい。
2.水分補給
口の中が乾燥すると、唾液が減り細菌が増殖します。したがって、水分補給が欠かせません。
コーヒーなどの利尿作用のある飲み物は避けて、なるべく水を飲みましょう。
3.口呼吸を治す
口呼吸も口の中の乾燥の原因となってしまいます。口閉じテープ等のグッズやマスク等を使って、鼻呼吸の習慣をつけましょう。
画像:医療法人 ひじや矯正歯科
4.リラックス出来る時間を作る
ストレスは唾液を減らします。ストレスを溜めない工夫をしましょう。ストレス解消になるのであれば、何でも構いません。
趣味や楽しい時間がないという方にはヨガがおすすめです。ぜひ、お試し下さい。
5.ガムを噛む
ガムを噛むと唾液が多く分泌されるのでおすすめです。また、ガムを噛む事でリラックスも出来ます。
ゆったりとくつろぎながら、ガムを噛むとより効果的でしょう。
6.マッサージをする
左右の頬を上下に擦ると唾液が分泌されます。簡単なので、仕事や家事の休憩中などに小まめにしてみましょう。
下記の動画で詳しく説明されています。ご参照下さい。
7.サプリを賢く使う
「他の対策をやっても効果が見られない」「忙しくて時間がない」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような方には、サプリも良いかもしれません。口臭ケアのサプリは、体の内側から臭いを抑えるもの、殺菌力を持つもの、香り成分が配合されているもの等、様々な製品が販売されています。
賢く使って、口臭を抑えましょう。